「私って、そんなに力入ってたんだ…」
これは、整体を受けた方がふっとこぼす言葉のひとつです。
肩こりや首のこわばり、朝のだるさやイライラ。
そんな毎日を「当たり前」と思って過ごしてきた人ほど、
体がゆるんだ瞬間に、はじめて“緊張していた自分”に気づくことがあります。
でも、それは決して悪いことではありません。
むしろ、それだけがんばって、誰かのために動いていた証なんだと思うんです。
この記事では、「がんばりすぎていたことに気づいていなかった」あなたに向けて、
“力を抜く”ということの意味と、その大切さをやさしくお伝えしていきます。
■ “がんばるクセ”は無意識に根づいている
「もっと手を抜いてもいいのに」
「そんなに気を張らなくても大丈夫だよ」
そう言われた経験、あなたにもありませんか?
でも実際には、「どうやって手を抜いたらいいのか分からない」
「むしろ、力を抜いたらダメになってしまいそう」——
そんなふうに感じてしまう方がとても多いんです。
料理しながら子どもの様子に目を配り、
家族の予定を覚えながら、洗濯・片づけ・買い物…
ふとした瞬間に肩が上がっていたり、歯を食いしばっていたり。
がんばるクセって、自分では気づかないくらい自然に体にしみついています。
特に、「まじめ」「責任感が強い」「人に迷惑をかけたくない」
そんなやさしさを持つ人ほど、無意識に緊張していることがあるのです。
■ 私自身が気づいた「緊張していた瞬間」
実は私も、かつては自分が“力んでいた”なんて気づいていませんでした。
ある日、整体の勉強会で先輩の施術を受けたときのこと。
何気なく体を預けた瞬間に、「力、抜いていいよ」と言われたんです。
そのとき、自分の肩や首、背中が“ガチガチ”に固まっていたことに驚きました。
無意識のうちに力を入れて、「ちゃんとやらなきゃ」「失敗しないように」と思っていた。
気づけば、呼吸まで浅くなっていたんです。
それ以来、私の中で“力を抜く”ということの意味が大きく変わりました。
がんばることが悪いわけではない。
でも、ずっと力が入ったままでは、体も心も疲れてしまう。
自分の体の声に気づくこと。
力を抜く“余白”を持つこと。
それは、整えることの第一歩なのかもしれません。
■ 力を抜くって、どういうこと?
「力を抜く」って、なんだかぼんやりした言葉ですよね。
私の整体では、力を抜くことを“体が自然な状態に戻る感覚”と考えています。
たとえば、肩の位置がすっと下がる。
首の動きが軽くなる。
呼吸が深くなる。
それらはすべて、体が“戦っていない状態”とも言えるかもしれません。
実際、施術中に多いのが「力を抜こうとしても抜けない」「抜き方がわからない」という声。
だからこそ、私は“無理に抜かせる”ことはせず、
やさしく触れて、体が自分からゆるもうとするタイミングを待ちます。
それができると、
「気づいたら呼吸がラクになってました」
「ふわっと体があたたかくなった感じがしました」
といった感想をいただくことも少なくありません。
力を抜くことは、決して“何もしない”ことではありません。
体と心の“バランスが整う合図”でもあるのです。
■ 「抜く」と「ゆるめる」で体が整う理由
整体というと、グッと押したり、ボキッと動かしたり。
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
でも、体の多くの不調は「過剰な緊張」からきています。
つまり、“力を入れる”ことで起きているんです。
たとえば、筋肉が緊張し続けると血流が悪くなり、
酸素や栄養が行き渡らず、痛みやこりにつながります。
呼吸も浅くなって、自律神経のバランスも崩れやすくなります。
だからこそ、「ゆるめる」「抜く」ことが整える第一歩なのです。
ゆるんだ筋肉は柔軟性を取り戻し、
骨格も自然な位置に戻りやすくなります。
これは施術だけでなく、日常生活にも言えること。
常に全力でがんばっている体より、
“ゆとりのある体”のほうが、何倍も元気に動いてくれます。
がんばり続ける体を、少しずつ手放していく。
それが「整える」ということなのかもしれません。
■ まとめ:がんばるあなたにこそ届けたい言葉
「私って、そんなに力入ってたんだ」
その気づきは、あなたの体と心が変わるサインかもしれません。
がんばることは素敵なことです。
でも、いつでも力を入れていなくてもいい。
たまには、肩の力をふっと抜いてもいいんです。
力を抜くことは、怠けることではなく、
自分を大切にする選択です。
あなたの体が、あなたらしく過ごせるように。
そのお手伝いができたら嬉しいです。
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